色でコスメの良し悪しを見分けられる?!

化粧品開発者・コスメ成分アドバイザーの尾崎幸子です。

 

昨日お伝えしたドゥラメールとニベアの件で少し触れた「色」の話。

これ、他にもいくつか色で配合量を見分けられるものがあります。

 

化粧品の原料はパッケージに書かれている情報だけでは配合量は分かりません。

どの原料にも通じる話なのですが、その原料自体が持つ「効果・効能」は一定量を配合して初めてその効果が出る仕組みになっています。

この部分は薬と同じ考え方と言えます。

しかし、化粧品は医薬品ではありませんので、医薬部外品でなければ配合量はどんな量でも良く、効果は全く見込めないごく微量の配合だったとしても全成分表記に記載されることになります。(医薬部外品の場合、有効成分となる原料のみ配合量の規定があるので、その他の成分は他化粧品と同じ考え)

 

薬事法というルールがあるので、化粧品は販売時に効果効能は謳えません。消費者に手に取ってもらえるようにするためには、限られた情報の中で、「効きそう」とか「使ってみたい」とかそういったことを連想されるように各メーカーは工夫しているのです。

そのため、珍しい(最新の)原料を配合したり、皆さんが知っている原料を種類豊富に配合したり、、そういった施策が行われます。

以前からお話ししている通り、数十種類の美容成分配合とかそういったものは意味がありませんという話はこの内側の話からも言えることなんです。

多くの化粧品では売るためのマーケティング・広告的な成分、業界では「コンセプト成分」と呼ばれるものが配合されているということ。

 

このコンセプト成分は残念ながら言葉の通り、コンセプトであり、その製品の力量には何も起因しません。

とはいっても、どれがコンセプトなのか?はなかなか分かりにくいもの。すべてを予測するには化粧品開発者並みの知識が必要になってしまいます。

 

今回は、その中でも、色で配合量が見える成分をいくつか紹介したいと思います。

これから紹介する成分においては色が付いていなければ完全にコンセプトとして配合されていると言えます。

化粧品原料の多くはひと目で分かる色を持つものは多くは無いのですが、皆さんが良く聞くエイジングケアの成分もありますし、紹介するのはよく使われるほんの少しの数ですので、是非覚えて化粧品選びに活用してみて下さいね(^^♪

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<色で見分ける成分その1 黄色>

少し前にブームになったとても有名な成分「コエンザイムQ10」です。

成分表記上は「ユビキノン」という名称になります。

抗酸化作用を持つ成分でエイジングケア化粧品に配合されることが多いです。

医療の分野では以前から使われていましたが、2004年に化粧品に配合できるようになった成分で、化粧品の原料としては比較的新しいものになります。

 

このコエンザイムQ10は黄色です。

理論的に効果が出る量を配合すると、配合した化粧品は黄色になるはず。

 

実はコエンザイムQ10が最初に化粧品に配合された頃、配合を謳っていた化粧品の色が白色で意味が無い!という問題があったりもしました。

コエンザイムQ10の恩恵を受けるには黄色の化粧品を選ぶ必要があるということです。

 

<色で見分ける成分その2 青>

実はお子さんをお持ちの方には身近な成分の1つ「アズレン」です。

成分表記では「グアイアズレンスルホン酸Na」、「グアイアズレンイロプロピル」という名称で見かけると思います。

アズレンは抗炎症効果があり、肌荒れ対策として化粧品に配合されます。

 

もとは青色です。こちらも理論的に効果が出る量が配合されている場合は青色になっているはず。

アズレンの効果が欲しい時は青色かどうかをチェックしましょう。

 

お子さんをお持ちの方に身近な理由は沐浴剤として有名な「スキナベーブ」にグアイアズレンイロプロピルという成分が配合されているから。

これを使ったことがある方は青色だということがお分かりだと思います。その青色はこの成分の色です。

 

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余談ですが、スキナベーブは石鹸などの洗浄剤の配合ではありません。

全成分から見ると、抗炎症、油分、殺菌剤、保湿の効果がある成分が配合されています。イメージですが、とても薄い乳液で赤ちゃんの体を洗うという感覚です。

ただのお湯で洗うよりも、保湿・抗炎症・殺菌と効果がありますし、洗浄成分があるものではありせんので、まだ石鹸が必要でない赤ちゃんには良い製品だと思います(^^)

朝、お湯で顔を洗う、石鹸などが苦手、という大人にも応用できるものですね。女性の場合、化粧品を付けますので1日1回は洗浄成分できちんと洗った方が良いと思いますが。

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<色で見分ける成分その3 茶色>

漢方でも有名な成分「甘草エキス」です。

化粧品の原料の中には甘草が元となる他の成分もありますが、それは別な加工がされているものですので、色の話では甘草エキスと表記される成分での話となります。

「カンゾウ根エキス」「カンゾウ葉エキス」にも同じような色があります。

 

抗炎症、美白、抗酸化、柔軟化などお肌に嬉しい効果を多く持つ成分です。

甘草は日本ではほとんど栽培されていなく、中国で栽培されたものが主となります。現在、この甘草はお値段が高騰していまして、高級な原料の1つとも言えます。

 

この成分の色は茶色です。正確には茶色では無いのですが、見た感じでは茶色と思える色になると思います。

甘草エキスがしっかり入ったものは茶色になるはず。色が無ければコンセプト配合。(ただし、甘草由来で色々と加工されて作られた成分は茶色とは限りません)

 

<色で見分ける成分その4 ピンク>

これは前回お話しましたが、復習のために再度お伝えします。

「シアノコバラミン」という成分。ビタミンB12のことです。

ビタミンはお肌に欠かせない栄養分なので、化粧品にも多く配合されます。

 

シアノコバラミンは元は赤色です。

化粧品に配合するとピンク色に見えます。

もし、シアノコバラミンが配合された製品で色がピンクでなければコンセプト配合と言えます。

 

他にも色がある成分はありますが、あまり多いと覚えきれませんし、よく見るものから覚えていくと良いと思うので今回はこの4つだけ。

 

注意しなければいけないのは、多く配合しているように見せるため、もしくは、単にキレイな色と見てもらえるために着色料を配合しているものも中にはあるということ。

天然色素の場合は成分表記上、一目で分かりにくいのですが、天然が故に変色しやすいこともあり、化粧品にはあまり配合されません。

ファンデーションなどは色を付けるための化粧品なので、考え方が別になりますが、いわゆるスキンケア(基礎化粧品)に関しては基本的には色は必要がありませんので、仮に色を付けるとするならば、紹介したこれら成分が多く入っているかのような演出という可能性もあります。

皆さんが食品などで気にされる(目にする)赤色〇号とか青色〇号とか、そういったものが入っていた場合には色だけで正しい濃度は分かりません。

多いかもしれないし、少ないかもしれない。

でも、基礎化粧品に色は不要と考えれば、カモフラージュの可能性は高いとも思えますよね。あえて選ぶ必要のない製品と言えると思います。

着色料が入っていなくて、これら成分が配合されており、色が出ていればOKです。その成分においては効果が期待できます。

 

これらの成分が少ないからと言って化粧品の製品としての品質が悪いとも言えません。

他の成分が多く配合されている可能性があるからです。

選び方として、これらの成分が注目ポイント(配合を強調している)としている場合には、あまり良い作りとは言えませんので選択肢から外すというのが良いと思います。

 

実際のところ、美容成分の種類が多い製品ではすべての成分の濃度を理論的に効果がある濃度にすることは、なかなかできません。

コストも掛かりますし、物理的に不可能な部分もあります。種類が多くなければ可能ですが、それなりの価格になってしまうので、プチプラ的なものであれば非現実的な話でしょう。

 

是非色も気にしてみて下さいね☆

 

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