界面活性剤は怖くない!?-私たちは日々界面活性剤を食べています-

肌に優しい化粧品を探していると「界面活性剤フリー」なんて商品を見つけることがあります。

化粧水タイプならまだ分かるんですが、ジェル・乳液・美容液・クリームタイプでそれを謳っていると「なぜ?」と思ってしまう(^_^;)

 

界面活性剤は「水に溶けにくいもの」と「水に溶けやすいもの」を混ぜる役割をします。

(界面活性剤の役割はもっと沢山あるのですが、その中の1つ)

 

皆さんが良く知っているもので例えますと、「水」と「油」。

これは何もしなければ混じり合いません。

無理やり混ぜて一瞬混ざり合う瞬間はありますが、時間と共に分離していきます。

 

化粧品の場合、ほとんどが「水」(水に溶けやすいもの)と「油」(水に溶けにくいもの・油に溶けやすいもの)が入っているので、界面活性剤が無いとキレイに混ざらないのです。

美容成分には「水に溶けやすいもの」と「油に溶けやすいもの」の両方が存在します。

このどちらもを入れたければ界面活性剤の力を借りて混ぜ合わせる必要があるんです。

もし、キレイに混ざっていなければ、肌にのせた時に美容成分が偏り、まんべんなく行き渡りません。

化粧水は水主体だけで作ることは可能ですが、それ以外となると「水」も「油」も存在するので「界面活性剤フリー」なんてありえないんです。

もし「界面活性剤フリー」を書いてあっても、界面活性剤の役割をする他の成分が入っています(結局働きは界面活性剤と同じです)。

 

皆さんの「界面活性剤」のイメージはほとんどの場合、「洗剤」になると思います。

確かに、洗剤で汚れが落ちるのは「界面活性剤」のおかげです。

「汚れが落ちるほどの力を持っているものをスキンケアとしてお肌に塗るのは強すぎないか?」

そんな風に思っていませんか?

 

これは極端な思い込みです。

 

界面活性剤には様々な種類があり、それぞれ特徴が違います。

洗剤に使われる界面活性剤とスキンケアに使われる界面活性剤は違う種類です。

種類が違うということは、その力も異なる。

同じものとして考えるには無理がありますね。。。

スキンケアにはそのための界面活性剤を選んで配合されていますから。

 

それ以上に、その響きから「界面活性剤」ってなんか怖い!って思っていませんか?

いえいえ、全く違います。

 

だって、私たちは毎日のように界面活性剤を食べているんですから

それも天然の界面活性剤を。

 

天然の界面活性剤とは何か?

卵の卵黄や大豆に含まれる「レシチン」や植物に含まれる「サポニン」などが天然の界面活性剤です。

 

とっても美味しい「マヨネーズ」は卵黄のレシチンが無ければできません。

美味しいマヨネーズが食べられるのは界面活性剤のおかげです。

 

更に言えば、私たち人体にもレシチンは存在します。

界面活性剤を体に持っていない人はいないのです。

 

天然の界面活性剤は安定性が悪く、洗剤や化粧品に使うには少々難があり、ほどんどが合成の界面活性剤が使われています。

さぁ、以前の記事を思い出して下さい!

 

天然じゃなくて、合成界面活性剤であれば怖いじゃないか!

・・と思った人、

学べていませんね~(>_<)

自然由来の界面活性剤も合成界面活性剤に含まれますからね。

「合成界面活性剤」=「石油系」とイメージされた方、こちらで復習してください↓↓↓(^_^)

偏見を捨てることで良い化粧品に出会える!-高校化学で化粧品を見極めよう!-

http://yukikoozaki.jp/?p=44

 

ネット上には根拠が記されず、「界面活性剤は毒」のような記載がありますが、これも間違いです。

どんなものでも使い方次第で「毒」になります。

水を飲みすぎたり、塩を摂りすぎたりして亡くなられた方もいる位ですから。

界面活性剤も使い方によって敵になったり味方になったりします。

「味方」にする方法をとれば良いのです。

 

スキンケアはもちろんなのですが、ファンデーションなどのメイクの際、界面活性剤はとーっても活躍するんです。

こちらは改めてお知らせしていきますが、「界面活性剤=悪」と考えず、「どういうバランスで出来ている化粧品なのか?」に注目することで使い勝手の良い素晴らしい化粧品に出会えることでしょう。

界面活性剤と仲良くできると良いことが起こります♪(何が起こるかは次回以降でお知らせします☆)

 

ちなみに界面活性剤の役割(一部ですが)も高校化学で学んでいますよ!

界面活性剤なんて知らないという方、高校化学の教科書を見直してみて下さいね(^_-)-☆

 

・・・次回は界面活性剤を目で、舌で感じる実験をお伝えしたいと思いますヽ(^o^)丿

 

私が作っている化粧品は石油系の界面活性剤は使用していません。

石油系の原料が悪いとかでは無く、別に石油系でなくても化粧品としての「力」に影響が無かったから選びました。

理屈では石油系が必ずしも悪くないって分かるけど、気分的に石油系は出来るだけ避けたい・・・という方には向いているものだと思います。

ただし、機能性を考えて約1%、自然由来(この表現も個人的には?なのですが)以外の成分を使っています。

だって、使い心地が気持ち悪かったら嫌ですから(^o^)/

気分よく、気持ちよく使えてこそ、化粧品の力は最大限発揮できますからね!

 

そんな私が作った化粧品はこちら↓

世界初!日本生まれのジェネリックコスメ MUQ

http://www.muq.jp/

偏見を捨てることで良い化粧品に出会える!-高校化学で化粧品を見極めよう!-

自分にとって良い化粧品を見つけるには成分を見ることは欠かせません。

化粧品は使われている全成分を記載する義務があります。

なので、容器の裏側を見ればすぐに分かること。

例外として「キャリーオーバー成分」というものがありますが、これは一旦置いておきましょう。(改めて説明します)

 

この全成分表記、配合量の多い順に記載されています。

化粧水であれば一番配合量が多いのは‘水’ですので、もれなく水がいちばん最初に書かれているハズ。

 

成分名はカタカナばかりですし、正直分からないものが沢山書いてあるので、あまりじっくり見ない人も多いでしょう。

反面、気になるからネットで成分を調べる・・・という方も最近増えてきています。

 

売り文句に惑わされず、自分で調べてみるのはとても良いこと。

でも、調べる前に、やることがあるんですよ~。忘れていませんか~?

これをやることでより自分に合った良い化粧品に出会えるのです!

 

それは、、、

「高校化学を思い出し、言葉の響きに対する偏見を捨てること」

 

必要な知識は高校化学です。

私の場合は高校時代、工学部を目指していたこともあり、化学では無く、物理を選択していたので今さら参考書片手に勉強をしてきましたが、化学を選択されていた人の方が圧倒的に多いはずです。

化学を選択されていた人は既に知っていることなんです。それを思い出してみましょう。

 

化粧品の成分名を見たり、ネットで調べたりしている際、その名前の響きや説明に使われる言葉で「なんかケミカルっぽくて怖い」と思うことはありませんか?

 

そもそも「ケミカル」=「怖い」というのも間違いな発想なのですが、この「ケミカルっぽい」というイメージ、違うケースがとっても多いです。

 

いくつか例をあげてみましょう。

 

まず、『合成○○』という言葉。「合成物」「化学合成」でも良いでしょう。

この成分はケミカルでしょうか?自然由来(天然のもの)でしょうか?

 

答えは「どちらも」です。

 

合成物というのは人が手を加えて作るものですが、必ずしも「石油」系のもので作られているとは限りません。

皆さんが良く知っている「ヒアルロン酸」。

化粧品に多く使われるのは合成物です。

 

天然物であれば鶏のトサカから抽出するのですが、これはとても高価なもの。

一昔前はヒアルロン酸は高級(高額)な化粧品に使われていました。

でも今は100円ショップで買える化粧水等にもヒアルロン酸は使われています。

何故でしょう?

理由はヒアルロン酸がバイオで合成できる(作る)ことが出来るようになったからです。

どうやって作るか?を細かく説明してしまうと難しくなり、読みたくなくなってしまいますよね?(私だけ?・笑)

なので難しいことは説明しません。

ヒアルロン酸はある菌を使って作られるのです。決して石油から作るものではありません。

そのおかげで価格は下がり、私たちは気軽に保湿効果のあるヒアルロン酸が使える恩恵を受けています。

 

ヒアルロン酸以外にも合成物は私たちの身の回りに沢山あります。

医薬品にも多く使われています。食品にも多く使われています。

その全てが石油で出来ているわけでは無いのです。

 

・・・ということで、まず

「合成物」=「石油で作ったものっぽい」

というイメージは捨てましょう。

「合成」と書いてあるから怖いなんて無知を証明してしまうようなものです。

 

おそらく石油由来のものに多くこの言葉が使われるのでそのイメージが強くついてしまっているんだと思います。

高校化学の教科書では決して「合成」=「石油由来のもの」とは書いていませんよ!

 

次に、

「ポリマー」という言葉。

これ何か分かりますか?

石油もしくはビニールやシリコンみたいな体に悪いもの・・・というイメージをしてませんか?

 

これも間違い!

 

英語の知識もちょこっと使ってみましょう!

高分子というのは分子が大きい一般に重合体というものを示すものなのですが、これを英語に訳すと「polymer」(ポリマー)となります。

 

あくまでも分子が大きいものを示します。

皆さんが良く知っている高分子を例に出してみると、、

・タンパク質

・デンプン

・セルロース(野菜のスジなんか)

など、普通に食べているものも高分子です。

タンパク質は私たちの体を作る栄養素ですから、私たちの体の中に高分子、つまり、「ポリマー」が存在しています。

 

ちなみに、寒天や水気を切った大根おろしなんかも高分子ですよ!

 

石油系のものにも高分子はあります。

・ポリエチレン

・合成ゴム

なども高分子です。

ちなみに先の例に出したヒアルロン酸も高分子(ポリマー)なんですよ。

 

成分を調べてみて、「ポリマーをという言葉で説明されていたからそれは石油系だから危ないもの」ということにはならないということ。

 

「ポリマー」=「石油」に必ずなるということではありません。

その先の情報が無ければ何で出来ているものなのかは分からないんです。

 

、、、とここまで書いてきたものはすべて高校化学で説明されているものです。

10代の現役高校生でも分かる話なのです。

 

私たち大人が理解できない訳がありません。

世の中には様々な情報がありますが、専門書でも無い限り、簡略化して書かれています。

中途半端なイメージでそれを読んでしまうと、本当に理解しなければいけないことが出来なくなってしまう恐れがあります。

 

私が化粧品開発者として弟子入りした際、化学系の大学を出ていないから無理かな・・と弱気になっていた私に師匠は言いました。

「基本は高校化学で十分理解できる!後はOJTで覚えていけば良い」

化粧品を作るのはとても難しいです。専門知識も必要です。

しかし、理解するのは高校化学だけでもかなり出来ます。

今となっては専門書も読みますが、この高校化学の参考書が手放せません^_^;

流石に大人になって勉強しているので進むスピードに暗記のスピードが追いつかないので、振り返るときに度々開きます(笑)

 

折角授業料を払って卒業した高校。

今一度、当時を思い返してみませんか?

それだけで数多くある化粧品の解説の感じ方、理解度が変わりますよ!