美白化粧品のトラブルから考える・・これからの化粧品の選び方は?

 

大手化粧品メーカーの美白化粧品のトラブルは次第に人数が増えてきていますね。

ネット上では美白化粧品が怖い、、なんて声も多く聞こえてきます。

 

何回かお伝えしていますが、新成分(比較的新しい成分)はこういったリスクはつきものです。

今回の成分は医薬部外品の有効成分ですから一般的な原料よりも、むしろしっかりとデータを厚生労働省に提出して製品化しているはずなんです。。

 

私の元には「どうやって化粧品を選べば良いの?」「良い化粧品って何?」という声が多く寄せられます。

 

正直、人それぞれ体質が異なりますので、一概にこれが良いよと言うのは難しいと思ってます。

ある程度のところまではおおよそどんな人にでも効果が感じられますが、それ以上となると目的や体質によって感じ方が違うな・・というのが私の考えです。

 

この美白化粧品の問題を見て、化粧品の選び方について再考された方も多いと思います。

トラブルに合われた方は本当に残念なことになってしまったと心が痛みますが、逆に化粧品に対しての見かたが変わるチャンスだなとも思っています。

 

ということで私なりの化粧品の選び方をお伝えしたいと思います。

どの成分がという視点ではなくて、何をしたいか?を基準にした選び方です。

化粧品の成分は沢山ありますし、作り手として言うのもなんですが効果がグレーなものもあります。

なので、まずは目的から選んでみましょう。

 

●とにかく今すぐ結果が欲しい、自然派にはこだわりません、お金に糸目はつけません!・・・というタイプの方

メジャーメーカーの最新化粧品がおススメです。

ケミカル比率が高いものも多いですが、その分、効果が分かりやすいです。

ただし、お値段が高いのと、最新の成分が使われることも多く、今回のトラブルのような可能性もあるということを忘れずに。

即効性=持続性とも限りませんので、「今」を考えた美容にこだわる方に向いていると思います。

ラインが多いのも特徴ですので、マメにお手入れが出来る方に向いています。

面倒くさがり屋さんには不向きです。

 

●とにかく自然派!将来のための肌ケアを徹底したい!・・・というタイプの方

自然派化粧品がおススメです。

即効性はありませんが、ケミカルがどうしても苦手、、、という方は“長期的に健やかなお肌を維持する”穏やかな効果の自然派化粧品が良いでしょう。

ただし、自然派化粧品は使用感(テクスチャー)が悪いケースも多いので、そこが気にならない方に向いていると思います。

オーガニックは高価で、香りが独特なものも多く好き嫌いがハッキリ出ます(自然派の成分は成分臭があります)、実はケミカル比率が多いものもありますので注意して選ぶ必要があります。

自然派といってもアレルギー反応が出たり、肌に刺激が出てしまう方もいますので、100%安全ではないことを忘れずに。

即効性は期待できないものも多いので、漢方薬的に使っていける方に向いています。

 

●普段化粧を全くしないし、そこまでこだわりは無い、最小限のスキンケアだけしたい!・・・という方

プチプラコスメがおススメです。

ドラックストアで購入できる1000円以下の化粧品の場合、濃度は低めですが、最低限の保湿成分はあります。

普段の食生活のバランスが取れ、運動もし、睡眠もしっかり取れている・・という生活バランスが整っているタイプの方はそれだけでお肌の状態は良くなりますので、大きな効果を期待しなければ十分だと思います。

ただし、化粧をしっかりした場合や日に当たる機会が多い、日焼け止めを常に塗っている、、という場合、肌に負担を掛けますので対応しきれない可能性があります。

安価な化粧品の場合はケミカルを使用せざるを得ませんので、自然派にこだわりを持つ型にはおススメできません。

即効性も期待薄なので、その点を理解したうえで活用するのが良いでしょう。

 

●とにかく美白したい、ニキビや吹き出物を押さえたい!・・・という方

美白やニキビ・吹き出物用の化粧品には医薬部外品の化粧品があります。

その部分のみの効果が立証され、厚生労働省の認可を得ているものなのでピンポイントに効果を期待したい方にはおススメです。

ただし、あくまでもその成分のみの効果ですので、その他の部分に関しては他の化粧品と同じように、効果効能は謳えません。どの程度あるかはそれぞれです。

ピンポイントで効果を謳っているものなので明確で分かりやすいですが、その分、効果がしっかり出る=強いというものなので、今回の美白化粧品のようなトラブルの可能性もあります。

どの化粧品も100%安全ではありませんので、どうしてもこの効果が必要という場合、活用するのが良いでしょう。

ただし、医薬部外品で無い化粧品でも同様の成分を配合しているものもあります。中には医薬部外品の化粧品よりも配合量が実は多く、より効果が得やすくなっているものもありますので、医薬部外品が最高に結果が出るとも限りません。

自然由来・ケミカルのどちらも使われることも多いので、自然派にこだわる方は自身で見極める必要があります。

 

私の場合、正直その時々によって欲しい化粧品は変わります。

というより、どれも良いなーと思っているんです。

●そんな欲張りな方には・・・新たなカテゴリー「ジェネリックコスメ」がおススメです。

 

ずば抜けた即効性は無いにしても、ある程度体感できる効果があり、お値段がお手頃で、ずっと購入していける、、、でもしっかり濃度があって、安心もできれば欲しい、、自然由来成分を中心として出来てたら嬉しいなー、、、

 

なんて思う気持ちにこたえるにはどうしたら良いのか?

それは今まで様々なメーカーが取り入れてきたものを集約して、安心と効果の実績の積み重ねが厚いものを抽出するのが早いんじゃないかと。

化粧品の開発は原料や製法を新たに作り出すと莫大なお金がかかります。

そうなればその分製品単価に反映されてしまいますしね。

安くて結果が出るものを、、となれば

お薬の業界で言う「ジェネリック医薬品」的な発想で作られた化粧品が良いなと。

 

ジェネリック医薬品は簡単に言えば特許切れの医薬品の製法を利用し、より安価に作るものです。

長期的にお薬を飲まなければならない人のお金の負担を減らすために推奨されています。

私も持病を抱えていますので、お薬代がかかるのが大変な気持ちがよく分かります。

 

高い化粧品を買って良かったけど続けて購入出来ない方は意外と多いのではないでしょうか?

海外旅行に行ったとき、免税店でまとめ買いする、とか、ネットで安い時に買う、とか、そんな条件がそろった場合買われる方も多いはず。

海外で買う場合、日本仕様になっていない場合が多いので、使ってみたら刺激が強くてビックリ・・というとこともありませんか?

 

化粧品は薬ではありませんので、その力のみでお肌を劇的に回復させていくことは無理です。若い頃のお肌に完全に戻すことはできません。

若々しさを保とうと思えば、どうしても使い続ける必要があります。

となれば薬同様、化粧品の世界にも「ジェネリック」の発想があってしかりかと。

 

単純なコピー品では意味がありません。

「ジェネリック」の発想だからこそ、使いやすいものが出来ると思います。

日本だからこそ出来るものだと思います。

日本の技術は今あるものを更に良くしていく点にも優れていますから。

 

私はまさに化粧品における「ジェネリック」にチャレンジしている最中です。

なので、本当は色々と語りたいのですが、そこは宣伝になってしまいますので客観性が無くなってしまうかも^_^;

なので、目的に応じて化粧品は選び方があるということをお分かり頂ければ良いです。

高い化粧品だけが自分にとっても良いものだ、、ということではありません。

化粧品を選ぶ前に、どこをゴールとして見ているかを是非考えてみて下さいね。

成分も大事ですが、ライフスタイルに合ったものを選ぶのが結果的に良いと思います!

偏見を捨てることで良い化粧品に出会える!-高校化学で化粧品を見極めよう!-

自分にとって良い化粧品を見つけるには成分を見ることは欠かせません。

化粧品は使われている全成分を記載する義務があります。

なので、容器の裏側を見ればすぐに分かること。

例外として「キャリーオーバー成分」というものがありますが、これは一旦置いておきましょう。(改めて説明します)

 

この全成分表記、配合量の多い順に記載されています。

化粧水であれば一番配合量が多いのは‘水’ですので、もれなく水がいちばん最初に書かれているハズ。

 

成分名はカタカナばかりですし、正直分からないものが沢山書いてあるので、あまりじっくり見ない人も多いでしょう。

反面、気になるからネットで成分を調べる・・・という方も最近増えてきています。

 

売り文句に惑わされず、自分で調べてみるのはとても良いこと。

でも、調べる前に、やることがあるんですよ~。忘れていませんか~?

これをやることでより自分に合った良い化粧品に出会えるのです!

 

それは、、、

「高校化学を思い出し、言葉の響きに対する偏見を捨てること」

 

必要な知識は高校化学です。

私の場合は高校時代、工学部を目指していたこともあり、化学では無く、物理を選択していたので今さら参考書片手に勉強をしてきましたが、化学を選択されていた人の方が圧倒的に多いはずです。

化学を選択されていた人は既に知っていることなんです。それを思い出してみましょう。

 

化粧品の成分名を見たり、ネットで調べたりしている際、その名前の響きや説明に使われる言葉で「なんかケミカルっぽくて怖い」と思うことはありませんか?

 

そもそも「ケミカル」=「怖い」というのも間違いな発想なのですが、この「ケミカルっぽい」というイメージ、違うケースがとっても多いです。

 

いくつか例をあげてみましょう。

 

まず、『合成○○』という言葉。「合成物」「化学合成」でも良いでしょう。

この成分はケミカルでしょうか?自然由来(天然のもの)でしょうか?

 

答えは「どちらも」です。

 

合成物というのは人が手を加えて作るものですが、必ずしも「石油」系のもので作られているとは限りません。

皆さんが良く知っている「ヒアルロン酸」。

化粧品に多く使われるのは合成物です。

 

天然物であれば鶏のトサカから抽出するのですが、これはとても高価なもの。

一昔前はヒアルロン酸は高級(高額)な化粧品に使われていました。

でも今は100円ショップで買える化粧水等にもヒアルロン酸は使われています。

何故でしょう?

理由はヒアルロン酸がバイオで合成できる(作る)ことが出来るようになったからです。

どうやって作るか?を細かく説明してしまうと難しくなり、読みたくなくなってしまいますよね?(私だけ?・笑)

なので難しいことは説明しません。

ヒアルロン酸はある菌を使って作られるのです。決して石油から作るものではありません。

そのおかげで価格は下がり、私たちは気軽に保湿効果のあるヒアルロン酸が使える恩恵を受けています。

 

ヒアルロン酸以外にも合成物は私たちの身の回りに沢山あります。

医薬品にも多く使われています。食品にも多く使われています。

その全てが石油で出来ているわけでは無いのです。

 

・・・ということで、まず

「合成物」=「石油で作ったものっぽい」

というイメージは捨てましょう。

「合成」と書いてあるから怖いなんて無知を証明してしまうようなものです。

 

おそらく石油由来のものに多くこの言葉が使われるのでそのイメージが強くついてしまっているんだと思います。

高校化学の教科書では決して「合成」=「石油由来のもの」とは書いていませんよ!

 

次に、

「ポリマー」という言葉。

これ何か分かりますか?

石油もしくはビニールやシリコンみたいな体に悪いもの・・・というイメージをしてませんか?

 

これも間違い!

 

英語の知識もちょこっと使ってみましょう!

高分子というのは分子が大きい一般に重合体というものを示すものなのですが、これを英語に訳すと「polymer」(ポリマー)となります。

 

あくまでも分子が大きいものを示します。

皆さんが良く知っている高分子を例に出してみると、、

・タンパク質

・デンプン

・セルロース(野菜のスジなんか)

など、普通に食べているものも高分子です。

タンパク質は私たちの体を作る栄養素ですから、私たちの体の中に高分子、つまり、「ポリマー」が存在しています。

 

ちなみに、寒天や水気を切った大根おろしなんかも高分子ですよ!

 

石油系のものにも高分子はあります。

・ポリエチレン

・合成ゴム

なども高分子です。

ちなみに先の例に出したヒアルロン酸も高分子(ポリマー)なんですよ。

 

成分を調べてみて、「ポリマーをという言葉で説明されていたからそれは石油系だから危ないもの」ということにはならないということ。

 

「ポリマー」=「石油」に必ずなるということではありません。

その先の情報が無ければ何で出来ているものなのかは分からないんです。

 

、、、とここまで書いてきたものはすべて高校化学で説明されているものです。

10代の現役高校生でも分かる話なのです。

 

私たち大人が理解できない訳がありません。

世の中には様々な情報がありますが、専門書でも無い限り、簡略化して書かれています。

中途半端なイメージでそれを読んでしまうと、本当に理解しなければいけないことが出来なくなってしまう恐れがあります。

 

私が化粧品開発者として弟子入りした際、化学系の大学を出ていないから無理かな・・と弱気になっていた私に師匠は言いました。

「基本は高校化学で十分理解できる!後はOJTで覚えていけば良い」

化粧品を作るのはとても難しいです。専門知識も必要です。

しかし、理解するのは高校化学だけでもかなり出来ます。

今となっては専門書も読みますが、この高校化学の参考書が手放せません^_^;

流石に大人になって勉強しているので進むスピードに暗記のスピードが追いつかないので、振り返るときに度々開きます(笑)

 

折角授業料を払って卒業した高校。

今一度、当時を思い返してみませんか?

それだけで数多くある化粧品の解説の感じ方、理解度が変わりますよ!