手作りコスメ、一歩間違うと逆効果?!

こんにちは。コスメ成分アドバイザー尾崎幸子です。

 

つい先日、また化粧品トラブルのニュースが流れましたね。

美白化粧品の問題が大きく取り上げられてから、メーカー、マスコミが気にするように変わってきたな・・というのが私の感想です。

だって、昔からこういうことは一定の確率で起こっていたわけで、開発者側としてはものすごく最近増えてきた・・という感覚では無いのです。

 

業界にいる者としてはネガティブニュースなので残念な気持ちが大きいのですが、ニュースに取り上げられることにより、消費者の皆さんが化粧品を選ぶ基準がより良い、正しいものに変わっていくチャンスとして、前向きにとらえていきたくも思います。

一部分の売り文句だけで選ばなくなるだけでも、ずいぶんと違ってくるでしょうし。

 

このようにトラブルのニュースを目にするようになると、「手作りコスメ」の方が安全そうだし、安いし、そちらにシフトしようかな?と思う方も多いはずです。

 

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開発者としての立場で考えると、手作りコスメは既製品よりも効果はより穏やかで、出にくいので、効果を望む方にはおススメ出来ません。

化粧品に使われる原料は化学的にロジカルに組み合わせて出来ているものなので、素人が出来る限界があるのです。

とはいえ、自分で何がどれくらい入っているか?を確認したいとか、効果はあまり無くても大丈夫という肌の方であれば「手作りコスメ」の良さを体感できると思います。

気持ちは肌に影響しますので、手作りコスメの方が気持ちよく使えるなら、それは良い手段ですよね。

 

個人的には、手作りするなら安価な化粧品を買ってしまう方が総合的にお得なような気もするのですが、もし、手作りしたいのであれば、しっかりとルールを守ってほしい!

何故、手作りより安価な化粧品をおススメするのか?

ここにルールを守って欲しい理由があります。

 

理由1.衛生基準がしっかりしているから

どんなに安い化粧品だとしても、製造販売するには許可が必要です。そのルールに則って作られているものは衛生的安心なんです。

化粧品工場では目には見えないチリもシャットアウトするよう、しっかりとした設備があります。

常温で保存し、開封後1~2か月位で使用する化粧品ですから、その間、劣化しないというのがスキンケアの最初に必要なこと。

劣化してしまっては逆にお肌を痛めてしまいますから。

 

理由2.先に記載した通り、化学的なロジカルな計算の元配合されているから

プロが配合を考えているので当たり前ですが、プロしか得られない原料もあるので、どうしても差はあります。

プロが作っても問題が起こり得る化粧品、素人が作る場合はかなり気を遣わないといけないですよね。

 

とここまで見ると手作りを否定しているように思われてしまいますが、そうでも無いですよ!

化粧品は薬では無いですから「満足度」が大事です。

気持ちよく使えるのなら、既製品だろうが、手作りだろうが、そして、高価であろうが、安価であろうが、どれでも良いのです。

 

手作り化粧品を作られる方は本やネットで情報を集めるのが多いと思いますが、私からもアドバイスを。

私が見た本やネットでは抜け漏れている話なので、是非覚えて頂きたい!

 

それは、

「道具は精製水で洗う」

「一度開封した精製水はその時に使い切る」

ということ。

 

煮沸消毒やアルコール消毒をすると書いてあるものは多いのですが、正直それでは足りないと思います。

化粧品には「精製水」が使われます。化粧品のベースに精製水を使うのは手作りコスメでは当たり前に知られていることですよね。

精製水が使われる理由は不純物が少ないから。

様々な原料を混ぜて作りますので、水道水ですとまだ不純物が多く、原料によっては働きを阻害されてしまうのです。

 

例えばビーカーで混ぜる時、中身のベースは精製水ですが、そのビーカーは水道水(煮沸しても同じです)だったら、ビーカーに付いている不純物が混じり、せっかくの精製水の意味が無くなってしまうのです。

 

ただでさえ、工場に比べて衛生環境が悪い手作りですから、是非とも道具は「精製水」で洗う習慣をつけて下さい。

洗った後は空気中のホコリが付かないように保護して、乾燥させましょう。

 

・・・意外と面倒ですよね。洗う用の精製水もコストとして計算しなければいけませんよ!

 

そして一度開封した精製水は蓋をして取っておいて次回に持ち越す・・・NGです。

開封した時点で劣化が始まります。

必ず使い切りましょう。

化粧品にしてしまえば保存料を入れますし、少し長持ちしますが、そのままの状態の場合は未開封でなければ衛生状態を保てません。

 

水の部分だけでも注意しなければいけないことがこれだけあります。

他の原料に関しても注意しなければいけないことがありますが、長くなるのでまたの機会に説明したいと思います。

 

化粧品開発をする前は手作りの方が安くてお得よね~と思っていたのですが、知れば知るほど、安易に作るのは危険と思うようになりました。

実際、化粧品工場の中も自分の目で見ていますが、衛生基準はとても高いんです。

見学に行った際はほんの入り口しか入れてもらえませんでした。

 

せっかく手間暇をかけて手作りをするのであれば、この位は守って欲しい。

健やかなお肌を守るには効果効能の前に清潔であることが大事。

覚えて下さいね!

 

 

プロの私が開発した化粧品はこちら↓

http://www.muq.jp

 

偏見を捨てることで良い化粧品に出会える!-高校化学で化粧品を見極めよう!-

自分にとって良い化粧品を見つけるには成分を見ることは欠かせません。

化粧品は使われている全成分を記載する義務があります。

なので、容器の裏側を見ればすぐに分かること。

例外として「キャリーオーバー成分」というものがありますが、これは一旦置いておきましょう。(改めて説明します)

 

この全成分表記、配合量の多い順に記載されています。

化粧水であれば一番配合量が多いのは‘水’ですので、もれなく水がいちばん最初に書かれているハズ。

 

成分名はカタカナばかりですし、正直分からないものが沢山書いてあるので、あまりじっくり見ない人も多いでしょう。

反面、気になるからネットで成分を調べる・・・という方も最近増えてきています。

 

売り文句に惑わされず、自分で調べてみるのはとても良いこと。

でも、調べる前に、やることがあるんですよ~。忘れていませんか~?

これをやることでより自分に合った良い化粧品に出会えるのです!

 

それは、、、

「高校化学を思い出し、言葉の響きに対する偏見を捨てること」

 

必要な知識は高校化学です。

私の場合は高校時代、工学部を目指していたこともあり、化学では無く、物理を選択していたので今さら参考書片手に勉強をしてきましたが、化学を選択されていた人の方が圧倒的に多いはずです。

化学を選択されていた人は既に知っていることなんです。それを思い出してみましょう。

 

化粧品の成分名を見たり、ネットで調べたりしている際、その名前の響きや説明に使われる言葉で「なんかケミカルっぽくて怖い」と思うことはありませんか?

 

そもそも「ケミカル」=「怖い」というのも間違いな発想なのですが、この「ケミカルっぽい」というイメージ、違うケースがとっても多いです。

 

いくつか例をあげてみましょう。

 

まず、『合成○○』という言葉。「合成物」「化学合成」でも良いでしょう。

この成分はケミカルでしょうか?自然由来(天然のもの)でしょうか?

 

答えは「どちらも」です。

 

合成物というのは人が手を加えて作るものですが、必ずしも「石油」系のもので作られているとは限りません。

皆さんが良く知っている「ヒアルロン酸」。

化粧品に多く使われるのは合成物です。

 

天然物であれば鶏のトサカから抽出するのですが、これはとても高価なもの。

一昔前はヒアルロン酸は高級(高額)な化粧品に使われていました。

でも今は100円ショップで買える化粧水等にもヒアルロン酸は使われています。

何故でしょう?

理由はヒアルロン酸がバイオで合成できる(作る)ことが出来るようになったからです。

どうやって作るか?を細かく説明してしまうと難しくなり、読みたくなくなってしまいますよね?(私だけ?・笑)

なので難しいことは説明しません。

ヒアルロン酸はある菌を使って作られるのです。決して石油から作るものではありません。

そのおかげで価格は下がり、私たちは気軽に保湿効果のあるヒアルロン酸が使える恩恵を受けています。

 

ヒアルロン酸以外にも合成物は私たちの身の回りに沢山あります。

医薬品にも多く使われています。食品にも多く使われています。

その全てが石油で出来ているわけでは無いのです。

 

・・・ということで、まず

「合成物」=「石油で作ったものっぽい」

というイメージは捨てましょう。

「合成」と書いてあるから怖いなんて無知を証明してしまうようなものです。

 

おそらく石油由来のものに多くこの言葉が使われるのでそのイメージが強くついてしまっているんだと思います。

高校化学の教科書では決して「合成」=「石油由来のもの」とは書いていませんよ!

 

次に、

「ポリマー」という言葉。

これ何か分かりますか?

石油もしくはビニールやシリコンみたいな体に悪いもの・・・というイメージをしてませんか?

 

これも間違い!

 

英語の知識もちょこっと使ってみましょう!

高分子というのは分子が大きい一般に重合体というものを示すものなのですが、これを英語に訳すと「polymer」(ポリマー)となります。

 

あくまでも分子が大きいものを示します。

皆さんが良く知っている高分子を例に出してみると、、

・タンパク質

・デンプン

・セルロース(野菜のスジなんか)

など、普通に食べているものも高分子です。

タンパク質は私たちの体を作る栄養素ですから、私たちの体の中に高分子、つまり、「ポリマー」が存在しています。

 

ちなみに、寒天や水気を切った大根おろしなんかも高分子ですよ!

 

石油系のものにも高分子はあります。

・ポリエチレン

・合成ゴム

なども高分子です。

ちなみに先の例に出したヒアルロン酸も高分子(ポリマー)なんですよ。

 

成分を調べてみて、「ポリマーをという言葉で説明されていたからそれは石油系だから危ないもの」ということにはならないということ。

 

「ポリマー」=「石油」に必ずなるということではありません。

その先の情報が無ければ何で出来ているものなのかは分からないんです。

 

、、、とここまで書いてきたものはすべて高校化学で説明されているものです。

10代の現役高校生でも分かる話なのです。

 

私たち大人が理解できない訳がありません。

世の中には様々な情報がありますが、専門書でも無い限り、簡略化して書かれています。

中途半端なイメージでそれを読んでしまうと、本当に理解しなければいけないことが出来なくなってしまう恐れがあります。

 

私が化粧品開発者として弟子入りした際、化学系の大学を出ていないから無理かな・・と弱気になっていた私に師匠は言いました。

「基本は高校化学で十分理解できる!後はOJTで覚えていけば良い」

化粧品を作るのはとても難しいです。専門知識も必要です。

しかし、理解するのは高校化学だけでもかなり出来ます。

今となっては専門書も読みますが、この高校化学の参考書が手放せません^_^;

流石に大人になって勉強しているので進むスピードに暗記のスピードが追いつかないので、振り返るときに度々開きます(笑)

 

折角授業料を払って卒業した高校。

今一度、当時を思い返してみませんか?

それだけで数多くある化粧品の解説の感じ方、理解度が変わりますよ!

 

手作り化粧品が必ずしも安全とは限らない!化粧品メーカーがある意味って・・

前回の記事で100%安全な化粧品は無いという話をしました。

ならば、自分で作るのが一番安全なのではないか?と思いますよね。

これはウソです。

 

自分で作れば何がどの位入っているかは分かります。

その点では安心です。

ですが、原料の良し悪しまで分かりますか?

 

自分で作るメリットは

●好みの原料だけで作れる(濃度も濃くできる)

●安く作ることができる

●どの成分がどの位入っているか確実に分かる

 

という点ですね。

逆に、デメリットは

●成分の特製(長所・短所)を十分に理解しないで作ってしまう(短所が出てしまう場合がある)

●原料の良し悪しを見極められない

●衛生面に不安が生じる

 

という点ですね。

他にも細かくあげれば他にもありますが、大枠こんなところでしょう。

 

私が化粧品開発を始めたのも「手作り化粧品」を作りたかったからなんです。

でも、勉強すればするほど、化粧品の原料って難しいんです。だから開発者になったんです。

 

そもそも、化粧品メーカー(じゃなくてもですが)が、手作りを推奨しながら化粧品原料を販売することは薬事法ではNG。

化粧品を自分で使う用に作ることは問題ないのですが、例えば‘手作り化粧品キット’ってルール違反なんですよ。

この辺のキットがネット上で販売されちゃっているのが私としては納得がいきません。。。

例え、化粧品製造メーカーが販売していたとしてもNGなんです。

 

自分で自分のために化粧品を作ることはOK。問題ありません。

例えば、薬局で買える「精製水」と「グリセリン」で簡単化粧水を作る、、のはOK。

ただし、自分で作った化粧品を誰かに販売することはNGです。

販売する場合には化粧品製造販売許可が必要です。

アロマセラピストが自分で化粧品を作って有償で化粧品を誰かに譲るのもNGです。

アロマセラピストの勉強の中で化粧品について学ぶ項はありますが、許可が無ければやってはいけないこと。

 

こうして考えると化粧品って簡単に作ってはいけないと思えるほどルールがしっかりありますよね。

それは「安全」を確保するためなんです。

 

水とグリセリン位なら問題は起こりにくいでしょう。

でも、グリセリンは原液だと蒸発しないのでずっと肌に残ります。

感触で言うとハチミツみたいな感じ。

保湿成分だから沢山配合しようと思って作るとベタベタになり、かなり感触の悪い化粧品が出来上がります。

これでは気持ちが良くありません。

適切な濃度があるんです。

 

また、成分によっては同居させることによってお互いマイナスの効果が出てしまったり、反対に、同居することでお互いの力がプラスに働いたりと、組み合わせで力量が変化するものも多いです。

これを全部理解して作ろうと思うなら、私のように化粧品開発者としての方向転換をおススメします(^_^;)

 

化粧品メーカーではこの辺の計算をして化粧品を作っていのです。

プロの技ですね。

 

原料の良し悪しも、細かく見極めなければ分かりません。

同じ原料でもメーカーが違えば若干特徴も変わります。

例えば、○○エキスと書いてあるものも、BGで抽出しているか、アルコールで抽出しているかによって変わります。

 

怖いのは、使おうと思っている原料が化粧品用では無いものの場合です。

アロマオイルなんかを入れる方もいますが、雑貨扱いで販売されていた場合、不純物が入っている可能性もあります。

最近ではエキス自体を自分で抽出される方も増えてきています。

これも不純物が入る可能性があります。

原料メーカーが作る場合はお肌に必要な成分だけを残してそれ以外を‘抜く’ということもしていますので。

安全だと思い込んでいるものに不純物が入っていては元も子もありません。

 

手作り化粧品にも‘リスク’があるということを理解しましょう。

 

もし、信頼できる化粧品メーカーの商品に出会えたなら、そちらの方がおススメです。

自分では出来ない難しい計算をして、入手出来ない原料を使ってくれて、製造する工場は徹底した衛生管理がされているのですから。

 

手作りキットを販売している会社は沢山あり、作り方も丁寧に紹介されているとことも沢山あります。

これ自体にはルール違反で個人的には反対ですが、自分で納得して作り、自己責任で使うなら良いと思います。

販売時に「自己責任」と書かれてるものよく目にしますしね。

「自己責任」というのはリスクが無いとは言えないという意味もあるということを理解しましょう。

くれぐれも注意してくださいね。

 

 

この世に100%安全な化粧品なんて無い!植物性だから安心・・なんてウソ!

カネボウ化粧品のニュースはその後の展開を見ていると被害者が増えていて大ごとになってきてしまいましたね。。

キレイになりたいと思って買った化粧品なのに、見た目が悪くなってしまうなんて、、、辛いでしょう。

 

カネボウは化粧品業界においては大手企業です。

立派な研究開発施設を持っています。(開発者の私としては羨ましい限りです)

そんな企業でもこういったトラブルがあるのです。

 

化粧品を開発している私が言うのも変な話ですが、この世に100%安全な化粧品なんて無いのです。

 

考えてみて下さい。

 

食べられるものだから安心

植物性だから安心

 

これは本当に安心ですか?

 

多くの人にとって栄養があり良いものである卵、卵アレルギーの人にとっては毒なんです。

植物は確かに自然のものですが、例えばスギ花粉だって自然ですよね。

でも春になれば花粉症で悩まされる人は多いでしょう?

 

逆にケミカル(石油由来とか人工物とか)だから危険!

 

これも本当でしょうか?

 

医療現場で使われているものにも人工物は沢山あります。

 

石油だって、ゼロから人が作ることは出来ない自然界のものなんです。

加工の仕方で化粧品や医薬品として良いものは沢山あるんです。

 

化粧品の原料にはどんなものにも必ず長所と短所があります。

 

同じ原料を使っていても、作り方によって、長所が出てきたり、短所が出てきたりします。

どういう風に作るかで安全度合が変わっていくものです。

 

例えば、新しい成分であれば、技術の進化でより効果が出るものも多いです。

その反面、原料としての歴史が浅いため、トラブルがどの位発生するかのデータが少ないという考え方もできます。

きっとカネボウにおいても開発時にしっかりトラブルに関して確認していたことと思います。

カネボウに限らず、最新鋭の技術にはこういったリスクがあることを理解する必要があります。

最新鋭の技術が発展していって後に広まり、お手頃価格で色々な商品に使われるようになる、、、という恩恵もあります。

昔、ヒアルロン酸はとても効果なものでしたが、今はお手頃価格で手に入れられますよね?

これも企業の努力があってこそです。

 

メーカーは製造時にトラブルが起きないものを作る義務があります。

でも、たとえ食べ物であってもアレルギー等の避けて通れないトラブルがある以上、化粧品においてもトラブル0という訳にはいきません。

トラブル0にするには化粧品を使わなければ良いのです。

 

、、、化粧品開発者の私が言うのも変ですね^_^;

 

決して化粧品を使うなと言っているわけではないんですよ!

化粧品を使うことで得られるものも沢山あります!

 

100%安全というものは無いということだけ理解して、賢く選んでいけば良いのです。

そんな賢い消費者に選んでもらえる化粧品を私は作っていきます。

 

 

 

そもそも化粧品とは何?

化粧品の定義を知っていますか?

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化粧品に関しては薬事法で細かくルールが敷かれています。

化粧品には分かりやすいところでいうと、化粧水や乳液などの基礎化粧品、ファンデーションや口紅などのメイクアップ用品をはじめ、ボディーソープやシャンプー、石けん、はみがき、香水などが含まれます。

幅広いですよね。

薬事法上では

人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なもの

と定義されています。

この文章、難しいなぁ・・と思うのは私だけでしょうか?!

「人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために」

という部分は効果効能的な表現ですよね。

でも、

「人体に対する作用が緩和なもの」

この部分は「効きすぎてはいけない」とも言い換えられる部分なんです。

 

実際どの位が緩和なものなんでしょう?ものすごーくあいまいな感じがしますけど・・

高いお金を払って化粧品を買うのだからしっかり効いて欲しいのですが(^_^;)

 

「作用が緩和」ということは効果効能がゼロでは無いということですから、化粧品を使えば何らかの効果は感じられるのは間違いありません。

石けんで手を洗えばキレイになりますしね!美容液やクリームを塗ればお肌のカサカサは無くなるし!

 

 ここで、「化粧」という言葉の意味を国語辞典で調べてみると、、

「1.紅(べに)やおしろいなどを使って顔を美しく見えるようにすること。つくり。けそう。

2.物の表面を美しく飾ること。

3.うわべだけのこと。」(goo辞書より)

とのこと。

なるほど!そもそも表面上に重きを置いているものなんですね

目的が違うのです。

薬は病を治すもの、化粧品は治すのではなく美しくするもの。

治療的効果は出せないのです。

原料によっては配合の上限が決まっており、それ以上は医薬品に任せなさい!といった感じなのです。

 

じゃあ、基礎化粧品で肌質改善なんて無意味なのかしら?

って思ってしまいますよね?!

そうでも無いので安心してください(^_^)v

 

最近では技術革新が進み、化粧品の機能も日々高まってきています。

残念ながら薬事法上、化粧品を販売する際に「シワが取れます」とか「肌が白くなります」とか効果効能を約束する言葉は使えませんので、見た目上は分かりにくいのですが、しっかり機能している化粧品も沢山あります。

医薬部外品(あらためて詳細は説明したいと思います)であれば有効成分(決まった成分のみ)に関しては「美白」などの効果効能を謳える成分も増えてきました。

私が開発する場合も実際のところは効果が出るかどうか?を考えて作ります。

 

でも化粧品は化粧品です。

開発者である私が言うのも変な感じですが、薬のような過度な期待は出来ない分野です。

実は本当に効果があるかグレーな原料も沢山あります。

効果効能が謳えないからこそ、逆に考えれば効果が無くとも商品化できるということです

これを見極める力を消費者は自分でつけていくしかないんです。

 

それでも私たち開発者は使う人が少しでも良い状態になるように日々研究しています。

尊敬できる開発者は沢山いるなと中に入ってみてよく分かりました。

(反面、なんでこんな商売商売の色が濃いんだよ・・・って思うこともしばしば^_^;)

 

個人的な意見ですが、「シワがあっという間に無くなる!」とか「肌がみちがえる程白く!」といった感じで極端な広告をいている商品は力が及ばないものが多いなとも。

だって、薬事のルールがあいまいだったとしても、消費者に商品の良い点を伝えられないジレンマがあったとしても、ルールはルール。

企業として最低限のことは守って欲しいんです。そんな自分勝手な会社が本当に消費者のことを考えらえているのでしょうか?

と思ってしまいます。

実際使ってみると期待外れなものに出会う確率は多いし。

こういう説明があるとついつい買ってしまう消費者心理を刺激してるんですよね。。。

 

良い化粧品に出会えれば、お肌も美しくなるでしょうし、見た目やさわり心地が良くなれば気分もあがり、不思議と内面からも良くなってくる(肌質改善につながる)のが人間です。

共に人生を頑張っていく‘仲間’みたいな感覚が化粧品とうまく付き合うのに良い考えかと思います。

効果で高機能な化粧品に出会ったとしても、食生活が悪かったり、睡眠時間が短かったり、自分の行いでお肌を汚くしてしまっては意味が無い。

化粧品はそれを治すお薬ではないのです。

技術革新でうっかりお薬的なイメージを持ってしまいがちですが、人生を明るくしていくためのチームの一員です。

共に頑張ってこそ結果が出るのですよ! 化粧品だけに頼ってしまったら嫌われちゃいますよ(笑)

 

上手く付き合うことで化粧品の力を100%以上引き出すことができます。

ちょっとネガティブな感じの説明に聞こえたかもしれませんが、良い化粧品の実際の力はあなどれません。

化粧品は何か?をしっかり理解したうえで是非商品を判断してみて下さいね!

 

そのためにも、もっと情報を発信していきます!

 

と思って化粧品を作ると広告合戦になかなか勝ち抜きにくい表現の商品になってしまうんですけどね^_^;

でも自分が買いたい、使いたいと思う化粧品がそうなってしまうから仕方がないですね(笑)

売り文句より中身」これが私のポリシーです★