手作り化粧品が必ずしも安全とは限らない!化粧品メーカーがある意味って・・

前回の記事で100%安全な化粧品は無いという話をしました。

ならば、自分で作るのが一番安全なのではないか?と思いますよね。

これはウソです。

 

自分で作れば何がどの位入っているかは分かります。

その点では安心です。

ですが、原料の良し悪しまで分かりますか?

 

自分で作るメリットは

●好みの原料だけで作れる(濃度も濃くできる)

●安く作ることができる

●どの成分がどの位入っているか確実に分かる

 

という点ですね。

逆に、デメリットは

●成分の特製(長所・短所)を十分に理解しないで作ってしまう(短所が出てしまう場合がある)

●原料の良し悪しを見極められない

●衛生面に不安が生じる

 

という点ですね。

他にも細かくあげれば他にもありますが、大枠こんなところでしょう。

 

私が化粧品開発を始めたのも「手作り化粧品」を作りたかったからなんです。

でも、勉強すればするほど、化粧品の原料って難しいんです。だから開発者になったんです。

 

そもそも、化粧品メーカー(じゃなくてもですが)が、手作りを推奨しながら化粧品原料を販売することは薬事法ではNG。

化粧品を自分で使う用に作ることは問題ないのですが、例えば‘手作り化粧品キット’ってルール違反なんですよ。

この辺のキットがネット上で販売されちゃっているのが私としては納得がいきません。。。

例え、化粧品製造メーカーが販売していたとしてもNGなんです。

 

自分で自分のために化粧品を作ることはOK。問題ありません。

例えば、薬局で買える「精製水」と「グリセリン」で簡単化粧水を作る、、のはOK。

ただし、自分で作った化粧品を誰かに販売することはNGです。

販売する場合には化粧品製造販売許可が必要です。

アロマセラピストが自分で化粧品を作って有償で化粧品を誰かに譲るのもNGです。

アロマセラピストの勉強の中で化粧品について学ぶ項はありますが、許可が無ければやってはいけないこと。

 

こうして考えると化粧品って簡単に作ってはいけないと思えるほどルールがしっかりありますよね。

それは「安全」を確保するためなんです。

 

水とグリセリン位なら問題は起こりにくいでしょう。

でも、グリセリンは原液だと蒸発しないのでずっと肌に残ります。

感触で言うとハチミツみたいな感じ。

保湿成分だから沢山配合しようと思って作るとベタベタになり、かなり感触の悪い化粧品が出来上がります。

これでは気持ちが良くありません。

適切な濃度があるんです。

 

また、成分によっては同居させることによってお互いマイナスの効果が出てしまったり、反対に、同居することでお互いの力がプラスに働いたりと、組み合わせで力量が変化するものも多いです。

これを全部理解して作ろうと思うなら、私のように化粧品開発者としての方向転換をおススメします(^_^;)

 

化粧品メーカーではこの辺の計算をして化粧品を作っていのです。

プロの技ですね。

 

原料の良し悪しも、細かく見極めなければ分かりません。

同じ原料でもメーカーが違えば若干特徴も変わります。

例えば、○○エキスと書いてあるものも、BGで抽出しているか、アルコールで抽出しているかによって変わります。

 

怖いのは、使おうと思っている原料が化粧品用では無いものの場合です。

アロマオイルなんかを入れる方もいますが、雑貨扱いで販売されていた場合、不純物が入っている可能性もあります。

最近ではエキス自体を自分で抽出される方も増えてきています。

これも不純物が入る可能性があります。

原料メーカーが作る場合はお肌に必要な成分だけを残してそれ以外を‘抜く’ということもしていますので。

安全だと思い込んでいるものに不純物が入っていては元も子もありません。

 

手作り化粧品にも‘リスク’があるということを理解しましょう。

 

もし、信頼できる化粧品メーカーの商品に出会えたなら、そちらの方がおススメです。

自分では出来ない難しい計算をして、入手出来ない原料を使ってくれて、製造する工場は徹底した衛生管理がされているのですから。

 

手作りキットを販売している会社は沢山あり、作り方も丁寧に紹介されているとことも沢山あります。

これ自体にはルール違反で個人的には反対ですが、自分で納得して作り、自己責任で使うなら良いと思います。

販売時に「自己責任」と書かれてるものよく目にしますしね。

「自己責任」というのはリスクが無いとは言えないという意味もあるということを理解しましょう。

くれぐれも注意してくださいね。

 

 

この世に100%安全な化粧品なんて無い!植物性だから安心・・なんてウソ!

カネボウ化粧品のニュースはその後の展開を見ていると被害者が増えていて大ごとになってきてしまいましたね。。

キレイになりたいと思って買った化粧品なのに、見た目が悪くなってしまうなんて、、、辛いでしょう。

 

カネボウは化粧品業界においては大手企業です。

立派な研究開発施設を持っています。(開発者の私としては羨ましい限りです)

そんな企業でもこういったトラブルがあるのです。

 

化粧品を開発している私が言うのも変な話ですが、この世に100%安全な化粧品なんて無いのです。

 

考えてみて下さい。

 

食べられるものだから安心

植物性だから安心

 

これは本当に安心ですか?

 

多くの人にとって栄養があり良いものである卵、卵アレルギーの人にとっては毒なんです。

植物は確かに自然のものですが、例えばスギ花粉だって自然ですよね。

でも春になれば花粉症で悩まされる人は多いでしょう?

 

逆にケミカル(石油由来とか人工物とか)だから危険!

 

これも本当でしょうか?

 

医療現場で使われているものにも人工物は沢山あります。

 

石油だって、ゼロから人が作ることは出来ない自然界のものなんです。

加工の仕方で化粧品や医薬品として良いものは沢山あるんです。

 

化粧品の原料にはどんなものにも必ず長所と短所があります。

 

同じ原料を使っていても、作り方によって、長所が出てきたり、短所が出てきたりします。

どういう風に作るかで安全度合が変わっていくものです。

 

例えば、新しい成分であれば、技術の進化でより効果が出るものも多いです。

その反面、原料としての歴史が浅いため、トラブルがどの位発生するかのデータが少ないという考え方もできます。

きっとカネボウにおいても開発時にしっかりトラブルに関して確認していたことと思います。

カネボウに限らず、最新鋭の技術にはこういったリスクがあることを理解する必要があります。

最新鋭の技術が発展していって後に広まり、お手頃価格で色々な商品に使われるようになる、、、という恩恵もあります。

昔、ヒアルロン酸はとても効果なものでしたが、今はお手頃価格で手に入れられますよね?

これも企業の努力があってこそです。

 

メーカーは製造時にトラブルが起きないものを作る義務があります。

でも、たとえ食べ物であってもアレルギー等の避けて通れないトラブルがある以上、化粧品においてもトラブル0という訳にはいきません。

トラブル0にするには化粧品を使わなければ良いのです。

 

、、、化粧品開発者の私が言うのも変ですね^_^;

 

決して化粧品を使うなと言っているわけではないんですよ!

化粧品を使うことで得られるものも沢山あります!

 

100%安全というものは無いということだけ理解して、賢く選んでいけば良いのです。

そんな賢い消費者に選んでもらえる化粧品を私は作っていきます。

 

 

 

そもそも化粧品とは何?

化粧品の定義を知っていますか?

 image2

化粧品に関しては薬事法で細かくルールが敷かれています。

化粧品には分かりやすいところでいうと、化粧水や乳液などの基礎化粧品、ファンデーションや口紅などのメイクアップ用品をはじめ、ボディーソープやシャンプー、石けん、はみがき、香水などが含まれます。

幅広いですよね。

薬事法上では

人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なもの

と定義されています。

この文章、難しいなぁ・・と思うのは私だけでしょうか?!

「人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために」

という部分は効果効能的な表現ですよね。

でも、

「人体に対する作用が緩和なもの」

この部分は「効きすぎてはいけない」とも言い換えられる部分なんです。

 

実際どの位が緩和なものなんでしょう?ものすごーくあいまいな感じがしますけど・・

高いお金を払って化粧品を買うのだからしっかり効いて欲しいのですが(^_^;)

 

「作用が緩和」ということは効果効能がゼロでは無いということですから、化粧品を使えば何らかの効果は感じられるのは間違いありません。

石けんで手を洗えばキレイになりますしね!美容液やクリームを塗ればお肌のカサカサは無くなるし!

 

 ここで、「化粧」という言葉の意味を国語辞典で調べてみると、、

「1.紅(べに)やおしろいなどを使って顔を美しく見えるようにすること。つくり。けそう。

2.物の表面を美しく飾ること。

3.うわべだけのこと。」(goo辞書より)

とのこと。

なるほど!そもそも表面上に重きを置いているものなんですね

目的が違うのです。

薬は病を治すもの、化粧品は治すのではなく美しくするもの。

治療的効果は出せないのです。

原料によっては配合の上限が決まっており、それ以上は医薬品に任せなさい!といった感じなのです。

 

じゃあ、基礎化粧品で肌質改善なんて無意味なのかしら?

って思ってしまいますよね?!

そうでも無いので安心してください(^_^)v

 

最近では技術革新が進み、化粧品の機能も日々高まってきています。

残念ながら薬事法上、化粧品を販売する際に「シワが取れます」とか「肌が白くなります」とか効果効能を約束する言葉は使えませんので、見た目上は分かりにくいのですが、しっかり機能している化粧品も沢山あります。

医薬部外品(あらためて詳細は説明したいと思います)であれば有効成分(決まった成分のみ)に関しては「美白」などの効果効能を謳える成分も増えてきました。

私が開発する場合も実際のところは効果が出るかどうか?を考えて作ります。

 

でも化粧品は化粧品です。

開発者である私が言うのも変な感じですが、薬のような過度な期待は出来ない分野です。

実は本当に効果があるかグレーな原料も沢山あります。

効果効能が謳えないからこそ、逆に考えれば効果が無くとも商品化できるということです

これを見極める力を消費者は自分でつけていくしかないんです。

 

それでも私たち開発者は使う人が少しでも良い状態になるように日々研究しています。

尊敬できる開発者は沢山いるなと中に入ってみてよく分かりました。

(反面、なんでこんな商売商売の色が濃いんだよ・・・って思うこともしばしば^_^;)

 

個人的な意見ですが、「シワがあっという間に無くなる!」とか「肌がみちがえる程白く!」といった感じで極端な広告をいている商品は力が及ばないものが多いなとも。

だって、薬事のルールがあいまいだったとしても、消費者に商品の良い点を伝えられないジレンマがあったとしても、ルールはルール。

企業として最低限のことは守って欲しいんです。そんな自分勝手な会社が本当に消費者のことを考えらえているのでしょうか?

と思ってしまいます。

実際使ってみると期待外れなものに出会う確率は多いし。

こういう説明があるとついつい買ってしまう消費者心理を刺激してるんですよね。。。

 

良い化粧品に出会えれば、お肌も美しくなるでしょうし、見た目やさわり心地が良くなれば気分もあがり、不思議と内面からも良くなってくる(肌質改善につながる)のが人間です。

共に人生を頑張っていく‘仲間’みたいな感覚が化粧品とうまく付き合うのに良い考えかと思います。

効果で高機能な化粧品に出会ったとしても、食生活が悪かったり、睡眠時間が短かったり、自分の行いでお肌を汚くしてしまっては意味が無い。

化粧品はそれを治すお薬ではないのです。

技術革新でうっかりお薬的なイメージを持ってしまいがちですが、人生を明るくしていくためのチームの一員です。

共に頑張ってこそ結果が出るのですよ! 化粧品だけに頼ってしまったら嫌われちゃいますよ(笑)

 

上手く付き合うことで化粧品の力を100%以上引き出すことができます。

ちょっとネガティブな感じの説明に聞こえたかもしれませんが、良い化粧品の実際の力はあなどれません。

化粧品は何か?をしっかり理解したうえで是非商品を判断してみて下さいね!

 

そのためにも、もっと情報を発信していきます!

 

と思って化粧品を作ると広告合戦になかなか勝ち抜きにくい表現の商品になってしまうんですけどね^_^;

でも自分が買いたい、使いたいと思う化粧品がそうなってしまうから仕方がないですね(笑)

売り文句より中身」これが私のポリシーです★

 

 

 

 

 

 

 

コスメ成分アドバイザー尾崎幸子です

女性にとって化粧品は物心がついてから長い年月を共にするもの。

大事な顔につけるものですし、長い年月使い続けるものなので、

「どんなものが使われているのか?」

「安心できるものなのか?」

「効果が出るものは何か?」

と色々気になります。

でも、成分を見てみるとカタカナばかりでどれが良いものなのかよく分からない・・・

私も以前はそんな状態で結局「売り文句」で判断していました(^_^;)

 

ところが3年前、縁あって化粧品開発者としてのキャリアを歩みはじめてから毎日「目からウロコ」状態!

今まで知っていた化粧品に関する知識とは全く違う事実ばかりを目にしました。

ちょうど皮膚の病を抱えていたこともあってそこから猛勉強。

今では化粧品を開発できるまでになりました(^_^)

 

私は文系出身です。

化粧品に特化して師匠の元で勉強をしてきたので、それ以外の化学は正直よく分かりません。

でも、文系出身の私だからこそ、私が理解できた言葉で伝えることで、化粧品に関する間違った情報や分かりにくい情報を変えていけるのではないか?

そう思いこのサイトを立ち上げました。

成分を中心に化粧品に関する情報をこれから沢山発信してきたいと思います!

是非ご期待下さい♪

 

【コスメ成分アドバイザー 尾崎幸子 プロフィール】

 法政大学経営学部卒業
大学卒業後、10年間人材ビジネスに従事。
2011年、化粧品開発者として株式会社恵理化 岩田宏に弟子入り。
化学の基礎から化粧品処方までゼロから学ぶ。
2013年4月、株式会社恵理化認定「コスメ成分アドバイザー」を取得。
2013年秋、化粧品開発者として自ら開発した基礎化粧品「MUQ」を発売予定。