偏見を捨てることで良い化粧品に出会える!-高校化学で化粧品を見極めよう!-

自分にとって良い化粧品を見つけるには成分を見ることは欠かせません。

化粧品は使われている全成分を記載する義務があります。

なので、容器の裏側を見ればすぐに分かること。

例外として「キャリーオーバー成分」というものがありますが、これは一旦置いておきましょう。(改めて説明します)

 

この全成分表記、配合量の多い順に記載されています。

化粧水であれば一番配合量が多いのは‘水’ですので、もれなく水がいちばん最初に書かれているハズ。

 

成分名はカタカナばかりですし、正直分からないものが沢山書いてあるので、あまりじっくり見ない人も多いでしょう。

反面、気になるからネットで成分を調べる・・・という方も最近増えてきています。

 

売り文句に惑わされず、自分で調べてみるのはとても良いこと。

でも、調べる前に、やることがあるんですよ~。忘れていませんか~?

これをやることでより自分に合った良い化粧品に出会えるのです!

 

それは、、、

「高校化学を思い出し、言葉の響きに対する偏見を捨てること」

 

必要な知識は高校化学です。

私の場合は高校時代、工学部を目指していたこともあり、化学では無く、物理を選択していたので今さら参考書片手に勉強をしてきましたが、化学を選択されていた人の方が圧倒的に多いはずです。

化学を選択されていた人は既に知っていることなんです。それを思い出してみましょう。

 

化粧品の成分名を見たり、ネットで調べたりしている際、その名前の響きや説明に使われる言葉で「なんかケミカルっぽくて怖い」と思うことはありませんか?

 

そもそも「ケミカル」=「怖い」というのも間違いな発想なのですが、この「ケミカルっぽい」というイメージ、違うケースがとっても多いです。

 

いくつか例をあげてみましょう。

 

まず、『合成○○』という言葉。「合成物」「化学合成」でも良いでしょう。

この成分はケミカルでしょうか?自然由来(天然のもの)でしょうか?

 

答えは「どちらも」です。

 

合成物というのは人が手を加えて作るものですが、必ずしも「石油」系のもので作られているとは限りません。

皆さんが良く知っている「ヒアルロン酸」。

化粧品に多く使われるのは合成物です。

 

天然物であれば鶏のトサカから抽出するのですが、これはとても高価なもの。

一昔前はヒアルロン酸は高級(高額)な化粧品に使われていました。

でも今は100円ショップで買える化粧水等にもヒアルロン酸は使われています。

何故でしょう?

理由はヒアルロン酸がバイオで合成できる(作る)ことが出来るようになったからです。

どうやって作るか?を細かく説明してしまうと難しくなり、読みたくなくなってしまいますよね?(私だけ?・笑)

なので難しいことは説明しません。

ヒアルロン酸はある菌を使って作られるのです。決して石油から作るものではありません。

そのおかげで価格は下がり、私たちは気軽に保湿効果のあるヒアルロン酸が使える恩恵を受けています。

 

ヒアルロン酸以外にも合成物は私たちの身の回りに沢山あります。

医薬品にも多く使われています。食品にも多く使われています。

その全てが石油で出来ているわけでは無いのです。

 

・・・ということで、まず

「合成物」=「石油で作ったものっぽい」

というイメージは捨てましょう。

「合成」と書いてあるから怖いなんて無知を証明してしまうようなものです。

 

おそらく石油由来のものに多くこの言葉が使われるのでそのイメージが強くついてしまっているんだと思います。

高校化学の教科書では決して「合成」=「石油由来のもの」とは書いていませんよ!

 

次に、

「ポリマー」という言葉。

これ何か分かりますか?

石油もしくはビニールやシリコンみたいな体に悪いもの・・・というイメージをしてませんか?

 

これも間違い!

 

英語の知識もちょこっと使ってみましょう!

高分子というのは分子が大きい一般に重合体というものを示すものなのですが、これを英語に訳すと「polymer」(ポリマー)となります。

 

あくまでも分子が大きいものを示します。

皆さんが良く知っている高分子を例に出してみると、、

・タンパク質

・デンプン

・セルロース(野菜のスジなんか)

など、普通に食べているものも高分子です。

タンパク質は私たちの体を作る栄養素ですから、私たちの体の中に高分子、つまり、「ポリマー」が存在しています。

 

ちなみに、寒天や水気を切った大根おろしなんかも高分子ですよ!

 

石油系のものにも高分子はあります。

・ポリエチレン

・合成ゴム

なども高分子です。

ちなみに先の例に出したヒアルロン酸も高分子(ポリマー)なんですよ。

 

成分を調べてみて、「ポリマーをという言葉で説明されていたからそれは石油系だから危ないもの」ということにはならないということ。

 

「ポリマー」=「石油」に必ずなるということではありません。

その先の情報が無ければ何で出来ているものなのかは分からないんです。

 

、、、とここまで書いてきたものはすべて高校化学で説明されているものです。

10代の現役高校生でも分かる話なのです。

 

私たち大人が理解できない訳がありません。

世の中には様々な情報がありますが、専門書でも無い限り、簡略化して書かれています。

中途半端なイメージでそれを読んでしまうと、本当に理解しなければいけないことが出来なくなってしまう恐れがあります。

 

私が化粧品開発者として弟子入りした際、化学系の大学を出ていないから無理かな・・と弱気になっていた私に師匠は言いました。

「基本は高校化学で十分理解できる!後はOJTで覚えていけば良い」

化粧品を作るのはとても難しいです。専門知識も必要です。

しかし、理解するのは高校化学だけでもかなり出来ます。

今となっては専門書も読みますが、この高校化学の参考書が手放せません^_^;

流石に大人になって勉強しているので進むスピードに暗記のスピードが追いつかないので、振り返るときに度々開きます(笑)

 

折角授業料を払って卒業した高校。

今一度、当時を思い返してみませんか?

それだけで数多くある化粧品の解説の感じ方、理解度が変わりますよ!

 

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