化粧品の定義を知っていますか?
化粧品に関しては薬事法で細かくルールが敷かれています。
化粧品には分かりやすいところでいうと、化粧水や乳液などの基礎化粧品、ファンデーションや口紅などのメイクアップ用品をはじめ、ボディーソープやシャンプー、石けん、はみがき、香水などが含まれます。
幅広いですよね。
薬事法上では
人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なもの
と定義されています。
この文章、難しいなぁ・・と思うのは私だけでしょうか?!
「人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために」
という部分は効果効能的な表現ですよね。
でも、
「人体に対する作用が緩和なもの」
この部分は「効きすぎてはいけない」とも言い換えられる部分なんです。
実際どの位が緩和なものなんでしょう?ものすごーくあいまいな感じがしますけど・・
高いお金を払って化粧品を買うのだからしっかり効いて欲しいのですが(^_^;)
「作用が緩和」ということは効果効能がゼロでは無いということですから、化粧品を使えば何らかの効果は感じられるのは間違いありません。
石けんで手を洗えばキレイになりますしね!美容液やクリームを塗ればお肌のカサカサは無くなるし!
ここで、「化粧」という言葉の意味を国語辞典で調べてみると、、
「1.紅(べに)やおしろいなどを使って顔を美しく見えるようにすること。つくり。けそう。
2.物の表面を美しく飾ること。
3.うわべだけのこと。」(goo辞書より)
とのこと。
なるほど!そもそも表面上に重きを置いているものなんですね。
目的が違うのです。
薬は病を治すもの、化粧品は治すのではなく美しくするもの。
治療的効果は出せないのです。
原料によっては配合の上限が決まっており、それ以上は医薬品に任せなさい!といった感じなのです。
じゃあ、基礎化粧品で肌質改善なんて無意味なのかしら?
って思ってしまいますよね?!
そうでも無いので安心してください(^_^)v
最近では技術革新が進み、化粧品の機能も日々高まってきています。
残念ながら薬事法上、化粧品を販売する際に「シワが取れます」とか「肌が白くなります」とか効果効能を約束する言葉は使えませんので、見た目上は分かりにくいのですが、しっかり機能している化粧品も沢山あります。
医薬部外品(あらためて詳細は説明したいと思います)であれば有効成分(決まった成分のみ)に関しては「美白」などの効果効能を謳える成分も増えてきました。
私が開発する場合も実際のところは効果が出るかどうか?を考えて作ります。
でも化粧品は化粧品です。
開発者である私が言うのも変な感じですが、薬のような過度な期待は出来ない分野です。
実は本当に効果があるかグレーな原料も沢山あります。
効果効能が謳えないからこそ、逆に考えれば効果が無くとも商品化できるということです。
これを見極める力を消費者は自分でつけていくしかないんです。
それでも私たち開発者は使う人が少しでも良い状態になるように日々研究しています。
尊敬できる開発者は沢山いるなと中に入ってみてよく分かりました。
(反面、なんでこんな商売商売の色が濃いんだよ・・・って思うこともしばしば^_^;)
個人的な意見ですが、「シワがあっという間に無くなる!」とか「肌がみちがえる程白く!」といった感じで極端な広告をいている商品は力が及ばないものが多いなとも。
だって、薬事のルールがあいまいだったとしても、消費者に商品の良い点を伝えられないジレンマがあったとしても、ルールはルール。
企業として最低限のことは守って欲しいんです。そんな自分勝手な会社が本当に消費者のことを考えらえているのでしょうか?
と思ってしまいます。
実際使ってみると期待外れなものに出会う確率は多いし。
こういう説明があるとついつい買ってしまう消費者心理を刺激してるんですよね。。。
良い化粧品に出会えれば、お肌も美しくなるでしょうし、見た目やさわり心地が良くなれば気分もあがり、不思議と内面からも良くなってくる(肌質改善につながる)のが人間です。
共に人生を頑張っていく‘仲間’みたいな感覚が化粧品とうまく付き合うのに良い考えかと思います。
効果で高機能な化粧品に出会ったとしても、食生活が悪かったり、睡眠時間が短かったり、自分の行いでお肌を汚くしてしまっては意味が無い。
化粧品はそれを治すお薬ではないのです。
技術革新でうっかりお薬的なイメージを持ってしまいがちですが、人生を明るくしていくためのチームの一員です。
共に頑張ってこそ結果が出るのですよ! 化粧品だけに頼ってしまったら嫌われちゃいますよ(笑)
上手く付き合うことで化粧品の力を100%以上引き出すことができます。
ちょっとネガティブな感じの説明に聞こえたかもしれませんが、良い化粧品の実際の力はあなどれません。
化粧品は何か?をしっかり理解したうえで是非商品を判断してみて下さいね!
そのためにも、もっと情報を発信していきます!
と思って化粧品を作ると広告合戦になかなか勝ち抜きにくい表現の商品になってしまうんですけどね^_^;
でも自分が買いたい、使いたいと思う化粧品がそうなってしまうから仕方がないですね(笑)
「売り文句より中身」これが私のポリシーです★