乾燥対策「保湿」だけで化粧品を選んでいる人は損をしている!?

コスメ成分アドバイザー尾崎幸子です。

前回の更新からだいぶ時間が経ってしまいました・・(;_;)

嬉しいことにコスメ成分アドバイザーとして発信する場を色々と頂き、その結果こちらに記事を書く時間をうまく取れなくなる・・という失態を犯していました。

色々と伝えていきたいことは山ほどあるので頭を再度整理してまたコンスタントにUPしていこうと思います!

 

さて、界面活性剤の件がまだ途中なのですが、時期的に「乾燥」が気になるという声をよく頂きます。

私の元にくる相談はどんな内容でも最後には「どうやって選べば良いの」という同じ質問がきます。

色々と解説があっても、最終的には何を使うか?それが一番知りたいことですよね(^^♪

 

今回はこの季節の化粧品の選び方について少々お伝えしたいと思います。

 

皆さん、秋冬の乾燥の季節、何を基準に化粧品を選んでいますか?

私の身の周りの人に聞くと

「保湿成分が多く入っているものを選ぶ」

「こってりしたタイプを選ぶ」

「薬用・医薬部外品を選ぶ」

「クリームを使う」

などという意見がとても多いです。

 

エアコンの効いたオフィスで1日中仕事をしているとより一層乾燥が進み、時に肌が荒れ痛くなってしまう人も多いですしね。

保湿を基準に選ぶのは正しいと思います。

 

でも!

保湿だけで選んでいたら損なんですよ!!

 

より乾燥対策をするならば

保湿+肌荒れ改善成分

を選ぶと良いのです!

 

化粧品に使用される成分には肌荒れを改善してくれる成分も多くあります。

かなり多くの成分がありますのですべてを具体的にお知らせしても覚えきれません。

なので、確実に効果が分かる成分をいくつかお伝えしようと思います。

 

この時期になると、私が集めた意見の通り、薬用とか医薬部外品の製品が化粧品コーナーに数多く並んでいます。

 

肌荒れ改善に使われる成分の中には医薬品として使われるものもあり、そういった成分は化粧品においては医薬部外品として販売されるものが多いです。

 

ちょっと脱線してしまいますが、医薬部外品とは薬事法で効果が認められた「有効成分」を規定量配合した成分です。

医薬部外品の話は別に細かくお伝えしたいと思いますが、さわりだけ少々。

化粧品は配合量が分かりませんので、配合されていてもその効果が発揮できる程の量か否かを判断することが出来ません。

しかし、医薬部外品の有効成分に関しては効果がでる規定量を配合する義務がありますので、その部分に関しては保障できるものです。

基礎化粧品の場合、肌あれやニキビ、美白などが該当します。

 

乾燥による肌荒れが気になるとか、肌荒れまでいかなくとも、この時期、普段使っている化粧品に刺激を感じ痛い、、といった場合、こういった医薬部外品を活用するのがおススメです。

 

ただし、医薬部外品の有効成分は一般の化粧品(医薬部外品でない化粧品)にも配合が可能です。

医薬部外品以外の化粧品の場合、配合量の規定がありませんので、有効成分が十分に力を発揮する程の量が配合されているか否かの判断ができません。

ですが、逆に考えると、医薬部外品の規定量以上に配合された場合も医薬部外品にはならないのです。

実際、一般の化粧品には有効成分の配合量が同等もしくはそれ以上配合されているものもあります。

医薬部外品の申請はコストがかかるため、製品価格を少しでも下げて使いやすいように、、という想いで申請をしていない良心的な製品もあるんですよ!

 

医薬部外品・薬用という言葉だけでなく、成分名で検索し、製品を探すことでこうした良心的な製品に出会うことも可能です。

代表的な成分を覚えるだけでも、かなり出会える確率は高まると思います(^_^)v

 

確かに医薬部外品にすることで、買う側には安心を伝えられとても良いのですが、自分が買うのであれば出来るだけ安い方が良いな・・という気持ちもあり、私が開発するものは医薬部外品の申請をあえてしていません。

 

医薬部外品でなくともその成分が配合された製品を使って肌荒れが良くなれば、その製品は有効成分において医薬部外品と同等の力を持っているわけでして、安心して使用して良いと思います。

それを見つけられたらラッキー☆だということですね!

 

一般的によく使われる成分をいくつか紹介しますと

◆その1◆

「アラントイン」

抗炎症効果があります。

傷による痛みを軽減してくれるので、肌荒れで刺激に弱くなっている肌におすすめです。

 

歴史をたどると、昔、戦争中に傷ついた兵士の傷口にうじ虫がわき、その結果、傷の治りが良くなった・・ということから発見された成分だそうです。

(一般的には19世紀に牛の羊膜から発見されたと言われています)

 

医薬品にも使われる成分で、やけどの治療などにも用いられます。

唇の荒れにも効果があり、口紅に配合されたりもしています。

 

傷の修復をしてくれるので、ニキビ跡や妊娠線などにも有効。

壊死した組織を取り除くという力があるという利点から古くなった角質(死んでしまった角質)を取り除いてくれるので、エイジングケアとしても効果的です。

 

医薬部外品としては100gあたり 0.075~0.1%という配合量が決められています。

この量が配合されていればアラントインの力がきちんと発揮できるという数値です。

 

水に溶けにくいので、美容液やクリームタイプに配合されます。

 

◆その2◆

「ビタミンE」「トコフェロール」

食べ物の栄養素としても有名なビタミンEは化粧品として塗布しても効果があります。

抗酸化作用を持つ成分です。

血行を良くしてくれ、皮膚の新陳代謝を活性化してくれることから、肌荒れ防止、老化防止目的として配合されます。

トコフェロールはビタミンE誘導体と呼ばれます。

 

トコフェロールは医薬部外品の有効成分です。

規定量はありますが、アラントイン同様、一般的な化粧品にも配合されます。

血行促進という点で頭皮にも良いのでシャンプーやトリートメントなどにも配合されます。

 

◆その3◆

「グリチルリチン酸二カリウム」

漢方薬で有名な甘草エキスです。

抗炎症、抗アレルギー、解毒作用があります。

成分自体には非常に高い効果があるという数値があり、薬事法で有効成分として配合量が決まっていますが、薬のような即効性がある訳ではありません。

漢方にも使われるように、長期的に穏やかに効果を発揮してくれる成分の1つです。

医薬部外品の場合だと、

化粧水→100gあたり 0.05~0.5%

乳液・クリーム→100gあたり 0.05~0.2%

 

様々なところで、1日の摂取量が40mgを超えると‘できもの’ができたりと、副作用の話なども出ていますが、勘違いしてはいけないのが、経口摂取での副作用データであるという点です。

 

 化粧品を食べる人は基本いないですし、塗布の場合は人体内への吸収は格段に下がります。

仮にMAX値の0.5%を配合したとしてもその量は100gあたり0.5g(500mg)です。

化粧水の場合は大体100~200mlの量が多いので、MAX値の配合をしたとして、0.5~1g(500~1000mg)。

副作用が出るほど、、と考えれば経口摂取ですから、100mlの化粧水で0.5%配合したものを12.5日間で食べきれば副作用が出るかもしれません。

実際12.5日間で使い切るタイプは少ないのと、塗布ですからそもそも同じ基準で考えられないという点から、無駄に不安になる必要が無いということが分かります。

クリームに至っては、大体30~50g前後の製品が多いので、もっと1回あたりの量はもっと少なくなりますよね。

 

化粧品の情報においてはこうした勘違いを生み出す情報も沢山あります。

数字の一部だけを見て判断するのは危険です。

 

このグリチルリチン酸二カリウムは先に説明した通り、漢方薬に用いられる甘草から抽出されます。

日本では栽培が少なく、主に中国産の甘草が用いられるのですが、この甘草、今価格が上がっています。

 

漢方薬を飲まれている方はご存知の方も多いのですが、漢方薬に使われる原料が高騰しているのです。 

コスト的にも高い成分で、メーカー側も必要以上に配合するのは勿体ないですからしませんよね。

なのでネガティブ情報に必要以上に反応しなくても大丈夫。

 

 

と肌荒れという観点で代表的な3つの有効成分を紹介しました。

ニキビケアには別の成分も多くありますし、美白にも別の成分が多くあります。

今回はあくまでも肌荒れという軸です。

 

有効成分ではありませんが、植物・果物系のエキスには肌荒れ改善の効果を持つ成分がかなり多くあります。

私も細かくは覚えきれない程です。

 

有名どころで言えば、

アロエエキス

カミツレ花エキス(カミツレエキス)

カワラヨモギエキス

モモ葉エキス

ユーカリ葉エキス(ユーカリエキス)

ヨクイニンエキス

など。

漢方などで良く聞くものが多いですね。

アロマや手作りコスメの世界でも非常に有名で良く使われる成分です。

 

肌荒れ防止効果はありますが、化粧品の原料ですし、その効果は穏やかです。

以前にもお話ししましたが、化粧品は薬ではありません。あくまでも健やかなお肌の維持を助けるだけです。

肌荒れがひどい場合には必ず医師の診断を受けましょう!

 

化粧品の原料は、単体では色々と素敵な効果がありますが、組み合わせ次第でその効果の程は変わります。

相性が悪い成分同士を配合してしまうとお互いの力を打ち消しあってしまったり、、ということはよくあるんです。

 

安心・安全という意味で手作り化粧品を愛用されている方も多くいますが、化学的なデータを踏まえて作られた製品にも、「力をしっかり出す配合」という利点がありますので、少し視野を広げて考えてみるのも良いと思いますよ(^_-)-☆

 

コスメを選ぶ基準を多角的に持って、冬でも‘うるツヤ’な肌を目指しましょう! 

 

 私があえて医薬部外品にしなかったコスメMUQはこちらから↓

http://www.muq.jp

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